第140話:旧キットコンペ・ツマツク2024「バンダイ:1/100 ウグ」製作(その2)

出来の良い1/100ウグのキットですが、流石に40年前のクオリティなので現在のキットの精度と比べると合わせ目処理や面出し工作が必用です。
普段は工作部分の詳細は省くことが多いのですが、色々な方から工作方法について質問される事が多いので、今回は私が主に使っている「工具&マテリアル」を紹介してみようと思います。
・「合わせ目消し&面出し」

通常の接着剤で接着&完全乾燥した後、隙間に「イージーサンディング」を充填します。
昔は隙間埋めにラッカーパテが推奨されていましたが、「乾燥時間が掛かる&塗装するとラッカーシンナーを吸ってふやける→その後ヒケる」ので、現在はあまりお薦めしません。

・「タミヤ メイクアップ材シリーズ No.187 タミヤ瞬間接着剤 イージーサンディング」
通常の瞬間接着剤でも構いませんが、接着を主目的にした瞬間接着剤はちょっと硬くなり過ぎて後の削り作業が大変です。
このイージーサンディングは隙間埋め用に硬さを調整されていますのでとても削り易いです。
因みに自然乾燥では中まで硬化するのに時間が掛かりますので、必ず「瞬間硬化スプレー」を併用するようにして下さい。

・「ウェーブ(Wave) 瞬着硬化スプレー 徳用 低臭」
硬化スプレーは色々なメーカーさんから出ているので、好みの物を選べば良いと思います(ウェーブさんの物が模型店で入手が容易なので、私はこちらを愛用しています)。
個人的には「ノズル付き」が狙ったところにピンポイントで塗布できるのでおススメですね。
あと容量はそこまで大量に使うものではないので、あまり大きくなくて大丈夫だと思います(大容量を買った方の中に先にスプレーのガスが無くなる方もいました:苦笑)。
隙間埋めが終わったら削り作業なのですが、ここでは金属ヤスリ(平)を使っていきます。

・「GSIクレオス 匠之鑢 極 ブラックブレード ホビー用工具 MF21」
合わせ目消しを紙ヤスリ(耐水ペーパー)でいきなり始める方がいますが、これだとなかなか削れない&面出しが出来ない(平面が出ない)原因となっています。
そこで金属ヤスリを使ってイージーサンディングを充填した部分を均すよう削っていきます。
ここで大切なのがヤスリに付いた削りカスを歯ブラシ等で小まめに落としながら削っていきます。
削りカスがヤスリに付いたままだと「削れない&キットに傷がつく」ので、面倒ですが小まめに清掃をして下さい。
これで「合わせ目消し&面出し」がほぼ終わると思います。
最後に金属ヤスリでついた傷をスポンジヤスリで落としていきます。

・「ゴッドハンド(GodHand) 神ヤス! 5mm厚 #240 (4枚入) 」
・「ゴッドハンド(GodHand) 神ヤス! 5mm厚 #400 (4枚入)」
#240番で全体を均した後、#400番で整えていきます。
スポンジヤスリの厚みは2ミリ、3ミリ、5ミリ、10ミリの4種がありますので、好みの厚みを選んでください(私は5ミリが一番使い易かったです)。
こちらも金属ヤスリと同様に小まめに削りカスを取りながら進めると効率が良いですよ。
(水を含ませたメラミンスポンジが良いです)
余談ですが私は水を付けないで削る「空研ぎ」が好きですね(削った箇所が解りやすいので)。
この辺は好みになりますので、「水研ぎ」がお好きな方は自分に合ったやり方で進めてみて下さい。
以上の手順で仕上がった胴体パーツがこちら↓

全体的に「ヌルっ」としたパーツのエッジが出て、良い感じに仕上がりました。
キットパーツだけではあっさりしていたので、軽くディテールアップをしてみます。
先ず0.3ミリプラバンを短冊状に切り出して貼り付けていきます。
その際フリーハンドでは並行に切り出すのが難しいので、T型定規を使って切り出します。


・「ウェーブ HG ステンレスT定規 L HT384」
・「ウェーブ HG ステンレスT定規 HT385」
大きさが2種類ありますので、好みで選んでください(私は長いLサイズを使っています)。
因みにマスキングテープの細切りにも使えますので、個人的に超おススメアイテムです。
その後ピンバイスを使ってリベット表現をしていきます。

今回使用したものは「0.5ミリ、1.0ミリ、2ミリドリル」、「ゴッドハンド:スピンブレード1.0ミリ、2ミリ」です。
0.5ミリはそのまま開口、1.0ミリと2.0ミリは開口後にスピンブレードで底面を平らに均します。

・「ゴッドハンド(GodHand) スピンブレード 5本セット」
スピンブレードはピンバイスに取り付けれますが、いちいちサイズ交換するのが面倒なのでマルチハンドルを複数用意しておくと便利です。

・「ウェーブ(Wave) ホビーツールシリーズ HGマルチハンドル 細」
「無理にスピンブレードいらないのでは?」と思いますが、ピンバイスで開口しただけだと側面部分が斜めになって、「アフターパーツのハマりが良くない」「見た目がシャキッとしない」のでこの作業をしておくとかなり精度アップしたように見えます(この辺りの積み重ねが後で効いてきますので、ちょっとお高め工具ですがおススメですよ)。
・「モノアイ開口&電飾」

劇中で印象的だったウグの「グポ~ン(ザクのモノアイ発光擬音:苦笑)」。
折角なので再現してみようと思います。
先ずドリルでモノアイ部分に5~6ミリ径の穴を開けます。
中々このサイズのドリルは持っていない事が多いのですが、ウェーブさんから丁度良い工具が出ています。

・「ウェーブ ホビーツールシリーズ HGステップドリル」
2ミリから10ミリまでの径が一つになっているのでこれ一本で対応が可能です。
開口後、バーニアパーツとHアイズを使ってモノアイを再現します。

・「ウェーブ(Wave) オプションシステムシリーズ NEW U・バーニア【丸】S」
・「WAVE オプションシステム シリーズ Hアイズ 2 ピンク」
バーニアに3ミリLEDを取り付ける穴もステップドリルで開口します。

Hアイズ(ピンク)の色が薄めだったのでクリアレッドを塗って濃い赤にしています。
バーニア内部はシルバーで、頭部は遮光の為にブラックを塗って完成です。
以上のような流れで全体の工作を進めていきます。
次回に続く