第134話:超時空世紀オーガス「アリイ:No.17 1/48 イシュキック・コマンダー(ロベルト機)製作(その1)」

1982年の10月3日、突然日曜日の14:00に放送を開始した「超時空要塞マクロス」はアニメ界&キャラクタープラモデル業界に激震をおこし、2023年現在にも新作が公開される一大コンテンツとなっています。
当時キット化権利を獲得した模型メーカーのイマイ&アリイのプラモデルも大ヒットとなり、マクロスの後番組にも期待が寄せられる状況でした。
そんな中放映を開始した超時空シリーズ第2弾「超時空世紀オーガス」。

F-14トムキャットを模したVF-1バルキリー等とは一線を画した、宮武一貴さんデザインによるSFマインドあふれるメカデザインでした。
前作のマクロスでは伝説のスタープロ作画回など、安定感に欠ける話数も多かったですが、東京ムービー(現:トムスエンターテインメント)による安定した作画で、ほぼ美樹本キャラを再現した良質のアニメ&骨太のストーリーが魅力的な作品でした。
が、メカの魅力としては残念ながらかなり低く、プラモデルの売り上げ的にはかなり苦戦しプラモデルメーカー(特にイマイ)も早い段階で見切りをつけたみたいです。
前置きが長くなってしまいましたが、今回のお題「アリイ:No.17 1/48 イシュキック・コマンダー(ロベルト機)」です。

実はこのキット、販売はされていません(苦笑)。

新製品チラシには「ログウッド」と共にボックスアートまで掲載されているのですが、残念ながら未発売となっています(金型製作までされていたとの情報もあります)。
他にも「ナイキック(ガウォークモード)&(フライトモード)」や「ブロンコⅡ(ファイター)」の発売予定もあったみたいなので販売して欲しかったです(特にイシュキック・フライトモードは)。
と言う訳で今回、「実は限定でアリイの1/48イシュキック・コマンダーが発売されていた!僕持っているもん!!」という設定で進めていきたいと思います(笑)。

ベースキットはもちろん「1/48 イシュキック」を使用します。


当時から出来が良いと評判だったこのキット、スタジオぬえさんの設定画に詳細な三面図が描かれていた事が大きな理由だと思います。

その為キットの出来としてはほぼパーフェクトな出来になっています。


ただキットの成形状態はあまり良くなく、当時の新製品なのにバリが多かったりヒケが派手に出ており、当時の若年モデラーさんにはかなりキツかったんじゃないかと思います。

因みにイシュキック・コマンダーにも詳細な三面図が発表されています。


イシュキックからの変更点として
(1)額のビーム砲カバー追加
(2)側面のエンジンが4基に増加
(3)両脚外側面にミサイルポッド追加(2か所)
(4)両足首にショックアブソーバー追加(4か所)
(5)コクピット下面にビーム砲&グレネードランチャー追加
(6)一般機のスモークディスチャージャー部分がセンサー&アンテナに変更
(7)カラーリングの変更(ロベルト機は脚の三角マークが赤、ヘンリー機は黄色)
となっています。

因みにこの部分、タカトクトイスから発売された玩具が参考になります(ヘンリー機が立体化)。

頭部カバー(ひさし)と肩(?)のセンサーは形状の参考になりますね。

製作の方向性が決まったところで、先ほどの三面図を原寸大に縮小します。

キットの肩幅を計測し(約81ミリ)、イラストの肩幅が同じになるよう倍率を計算してコピーします。

側面はこの脚の長さ(85ミリ)から縮尺率を出してコピーします。

このサイズを参考にプラバン等で製作していきますが、似たような流用パーツで製作する際もこの図を参考に合わせていけばかなり近い物が出来ると思います。
次回はキット無改修部分の製作と新規パーツ部分製作を進めていこうと思います。
続く