第113話:「スジ彫りの埋め方」

今回はスジ彫りの埋め方についてご質問がありましたので、私が普段している埋め方について書いてみようと思います。
基本的に使うツールは
(1)黒い瞬間接着剤(ウェーブ又はガイアノーツのもの)
(2)瞬着硬化促進スプレー(ウェーブ又はアルテコのもの)
(3)ラッカーパテ&ラッカーシンナー(タミヤ又はフィニッシャーズのもの)
(4)金属ヤスリ(タミヤ中目3本セットの平ヤスリ)
(5)#400ヤスリ(タミヤ・フィニシングペーパー又はゴッドハンド・神ヤス#400)
です。

黒い瞬着を使う理由は硬化後の硬さが比較的柔らかい事と埋めた箇所に色が付き判り易い為です。
瞬着硬化促進材は刷毛塗タイプもありますが、今回のような場合はスプレータイプの方が良いと思います。
ウェーブの物が入手が簡単ですが、プラを微妙に溶かす溶剤が入っているので、アルテコがおススメです。
なおパーツは今回、埋める難易度の違う3種類を用意しました(アリイ:1/100ガウォーク・バルキリー)。

まず一番単純な形の足パーツの場合は、黒瞬着を爪楊枝でスジ彫りに塗って

瞬着硬化促進スプレーで固めます。

表面が硬化しても内側が固まっていないこともあるので、
(1)厚塗りしない←薄く塗って硬化させ何度かに分ける
(2)乾燥時間を十分にとる(5分以上)
に気を付けて下さい。
次にスジ彫りの一部分だけを消したい時は、瞬着が他の部分に流れないようマスキングテープ又は練り消しゴム等を使ってマスクしてください。

乾燥後、金属ヤスリを使って平らに均します。
紙ヤスリやスポンジヤスリを使う人も多いと思いますが、それだと狙ったところだけを削れず、全体にやすりが当たってしまいダルい印象になってしまいますので、ここは金属ヤスリでの削りをマスターしてください。

金属ヤスリのポイントは「押す時に力を入れて、引く時は力を入れない」です。
瞬着の部分に意識を集中して削り過ぎないようにして下さい。

なお、削りカスが付いた状態でヤスっているとそれが原因でパーツに傷がつくので、小まめに削りカスを取るのも奇麗に仕上げるコツです。
平らになったらヤスリ傷を#400のペーパーで均して完成です。

以上は「金属ヤスリが入る」場所の埋め方ですが、場所によっては金属ヤスリが入りません。
そんな時は「ラッカーパテ+シンナー」で「溶きパテ」を作り埋めていきます。

フィニッシャーズのラッカーパテ&シンナーはヒケも少なく乾燥時間も早いのでおススメです。

バルキリーパーツのヤスリが入らない箇所溶きパテを筆で塗った後、十分乾燥させます。
(出来れば1時間以上)

その後、ラッカーシンナー(GSIクレオス等、どのメーカの物でも可)を含ませた綿棒で拭き取ります。
若干乾燥に時間が掛かる事とシンナー分が蒸発してヒケる事が難点ですが、スミ入れと同じ感覚で簡単にできますのでおススメの方法です。
他にも方法がありますが、取り敢えずこの2種類の方法をマスターしてみると良いですよ。